Personal


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佐々木淳吾 ぢゅんご式大人の読書感想文
佐々木淳吾


誕生日
1976年11月25日
出身地
東京都 江東区
血液型
O型
担当番組
【テレビ】
ウォッチン!みやぎ
(月〜水)7:30頃〜8:00

【ラジオ】
COLORS
(月)9:00〜12:00
うたまつり!
(日)18:30〜19:00
趣味
車、靴、時計、カメ
今、興味のあること
英語とイタリア語の親戚関係
得意ジャンル
メリハリ全般
好きなタレント、芸能人
小嶋陽菜
アンバー・ハード
私の好きな・・・
映画
「ニューシネマ・パラダイス」
「マイ・インターン」
「シャレード」
お気に入りの場所
自宅のソファの上
私のよく行くお店
うなぎの開盛庵
私ってこんな人です
落ち着きがない!
超マイペース!!
『凍てつく冬に冷たい校舎の物語を』
2016/12/20


  何かクリスマスにふさわしい作品を……とも思ったのだが、どうしてもこっちのほうに行ってしまうんだなあ。1週間の休暇中に読破した、辻村深月のデビュー作にして大長編青春ホラー小説「冷たい校舎の時は止まる」(上)(下)である。

  主人公は県下一の進学校に通う高校3年生達。初雪の朝、8人の学級委員経験者が登校して来るが、他に教職員や生徒達が誰もいないことに気付く。異変を感じて校舎を出ようとするが、ドアも窓もびくともしない。
  凍てつく校舎に閉じ込められた8人。彼らは皆、学園祭の最終日に自殺した生徒の名前がどうしても思い出せない。
  彼もしくは彼女が責任を感じて欲しくて、自ら作り出した精神世界にクラスメートを閉じ込めているのでは?あるいは自分達のうちの誰か1人が、自殺した当人なのではないか。疑心暗鬼がつのる中、1人また1人と姿を消して行く……。
  怖いです、はっきり言って怖い。
  ただ「冷たい校舎の時は止まる」を単なるホラー小説と決めつけることはできない。8人の主人公それぞれの視点で過去を振り返るドラマやそれに基づく心理描写が次々挿入され、壮大な青春群像となっている。
  進学校に通うだけあって優秀で大人びた彼らだが、危機に陥って青春の痛みや過去のトラウマがあぶり出されるようすは見ていて痛々しい。そう、トラウマの克服……。 「冷たい校舎の時は止まる」を読み終えて、あらためてこの作品の大きなテーマがそこらへんにあるのではと感じている。

  辻村深月は文庫本で上下巻、計1200ページに迫ろうかというこの作品を、大学の4年間で書き上げた。驚くべきは、これが新人賞をめざしての応募作だったということ。
  彼女が学生時代のエネルギーを注いだ力作は見事、編集者の目に止まり「冷たい校舎の時は止まる」は、第31回メフィスト賞(当時)を受賞して日の目を見た。それはそうだろう。ここまで緻密に張りめぐらせた伏線を、見事に回収して行く終盤の手際の良さと来たら!
  それに主要登場人物8人の描き込みがとても丹念であるため、皆キャラが立っている。8人もいるのに「あれ?これ誰だっけ」ということにならないのは、すごい。
  「冷たい校舎の時は止まる」で2004年にデビューした辻村深月。その後の活躍は、皆さんご存知のとおりである。

   


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