Personal


[バックナンバー]
佐々木淳吾 ぢゅんご式大人の読書感想文
佐々木淳吾


誕生日
1976年11月25日
出身地
東京都 江東区
血液型
O型
担当番組
【テレビ】
ウォッチン!みやぎ
(月〜水)7:30頃〜8:00

【ラジオ】
うたまつり!
(日)18:30〜19:00
趣味
車、靴、時計、カメ
今、興味のあること
英語とイタリア語の親戚関係
得意ジャンル
007シリーズ
好きなタレント、芸能人
広瀬すず
ナタリー・エモンズ
私の好きな・・・
映画
「ニューシネマ・パラダイス」
「きみに読む物語」
「シャレード」
お気に入りの場所
愛車の運転席
私のよく行くお店
うなぎの開盛庵
藤崎百貨店
私ってこんな人です
落ち着きがない!
超マイペース!!
『理想の音色を求めて』
2018/03/27


  調律師というのは不思議な仕事である。およそほとんどの楽器は、音合わせ=チューニングを自分で行なう。ギターであれば、ペグと呼ばれるつまみを回して音の高低を調節する。時には自分で弦を交換する。管楽器では…知らないが、とにかくオーケストラの開演前にプア〜ッと一斉にA(=ラ)の音を鳴らして440kHzを合わせる中に、自分で調整する奏者の姿が見られる。
  ピアノではそうは行かない。調律師と呼ばれる専門家がいて初めて、凄腕のピアニストも美しい音を奏でられるというものだ。

  本屋大賞にも選ばれた、宮下奈都の「羊と鋼の森」を読んだ。主人公の外村(とむら)は高校生の時、学校の体育館で調律師がピアノのメンテナンスをしているところに出会う。山間の村に生まれ育った外村。ピアノの音に深い森のような懐かしい匂いを感じ、めざすべき道を見出す。
  宮下奈都という人の作品を初めて読んだが、理想の音(とひと口に言うが、これが本当に厄介である)を求めてたゆまぬ努力を続ける外村の姿を、小さなエピソードをつなぎ合わせながら丹念に描いて行く。
  何か大きな事件が起きるわけではない。手に汗握る展開が待っているわけでもない。しかし、丁寧だということはよく分かる。「ひとりの若者の成長を見つめる」という作業が、全編にわたって温かく丁寧なのである。

  ここ数年、僕自身むかし習っていたピアノをまたポロポロと弾き始めたこともあり、長く弾く人のいなかった実家のアップライトピアノを久々にメンテナンスしてもらった。同居の姪っ子も弾くことになりそうだし、だいぶかかったという会計は向こう持ちである。うししし。
  それはさておき、調律師。女性が来たらしいのだが、音程も、強弱の加減もおかしくなっていたピアノをきっちり仕上げて行かれた。職人技で生まれ変わったピアノだが、はて…弾くほうの腕ははなはだ心許ない。こちらの技術も、楽しみつつ磨かなくてはなるまい。
  6月公開の映画化作品も待ち遠しい、宮下奈都「羊と鋼の森」。あなたもぜひ。

   


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