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佐々木淳吾 ぢゅんご式大人の読書感想文
佐々木淳吾


誕生日
1976年11月25日
出身地
東京都 江東区
血液型
O型
担当番組
【テレビ】
ウォッチン!みやぎ
(月〜水)7:30頃〜8:00

【ラジオ】
うたまつり!
(日)18:30〜19:00
趣味
車、靴、時計、カメ
今、興味のあること
英語とイタリア語の親戚関係
得意ジャンル
007シリーズ
好きなタレント、芸能人
広瀬すず
ナタリー・エモンズ
私の好きな・・・
映画
「ニューシネマ・パラダイス」
「きみに読む物語」
「シャレード」
お気に入りの場所
愛車の運転席
私のよく行くお店
うなぎの開盛庵
藤崎百貨店
私ってこんな人です
落ち着きがない!
超マイペース!!
『辞書の王様 かく生まれり』
2018/02/13


  世の中に国語辞典は数あれど、その頂点に君臨するのが「広辞苑」であるという意見に異論をはさむ人はあまりいないだろう。
  辞書の王様といえば「広辞苑」。それが証拠に、改訂がニュースになるような辞書は他にあるまい。

  ご紹介する1冊「広辞苑をつくるひと」は、実は非売品である。売っていない本を紹介するなという声が聞こえてきそうだが、このたび10年ぶりの改訂が行なわれた「広辞苑」の初回入荷特典なのだ。
  いつもお世話になっている金港堂のOさんに聞いたら、まだ店頭でも若干の数が残っているかもとのこと。他の本屋さんでも探してみて頂ければ…とおっしゃるOさんは、とても良い人だ。なので欲しいという皆さん、お急ぎください。
  著者は三浦しをん。すでに、本屋大賞を受賞した「舟を編む」という作品がある。辞書作りにまい進する人々の10年以上にわたる苦闘を描いた、涙なしには読めない人間ドラマだ。
  その彼女が満を持して、今度は辞書の王様に挑んだ。「広辞苑をつくるひと」は、「広辞苑」ができるまでを、語釈の改訂、印刷、函(はこ)作り、製本といった工程ごとに現場のプロに取材したルポルタージュである。
  例えば「見極める」と「見定める」の違いを、誰もが納得できる、しかも平易な文章で説明すべく頭を悩ませるプロがいる。化石しか残っていない生き物の挿絵を描くプロがいる。新しい時代の「広辞苑」にふさわしいフォントを開発しながら、採用を見送られた(!)プロがいる。「広辞苑」を入れる函をミリ単位で調節して作るプロがいる。3kgを優に超える重さを支え、長きにわたる使用に耐えうる製本のプロがいる。
  三浦しをんの筆は、単に1冊の辞書ができあがる工程をなぞっただけではない。そこに携わるプロひとりひとりの人柄が、何気ないやりとりからもよく分かるのはさすがだ。
  「広辞苑をつくるひと」のページをめくるたび、かたわらに置いた「広辞苑」がまるでカイロのように少しずつ発熱する。電子辞書にはないアナログの温かみが、自己主張をはじめるのである。
  世界に誇るべき、日本のモノづくり。新しい「広辞苑」にも、その技術と精神はいかんなく発揮されている。

   


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