Personal


[バックナンバー]
佐々木淳吾 ぢゅんご式大人の読書感想文
佐々木淳吾


誕生日
1976年11月25日
出身地
東京都 江東区
血液型
O型
担当番組
【テレビ】
ウォッチン!みやぎ
(月〜水)7:30頃〜8:00

【ラジオ】
COLORS
(月)9:00〜12:00
うたまつり!
(日)18:30〜19:00
趣味
車、靴、時計、カメ
今、興味のあること
英語とイタリア語の親戚関係
得意ジャンル
メリハリ全般
好きなタレント、芸能人
小嶋陽菜
アンバー・ハード
私の好きな・・・
映画
「ニューシネマ・パラダイス」
「マイ・インターン」
「シャレード」
お気に入りの場所
自宅のソファの上
私のよく行くお店
うなぎの開盛庵
私ってこんな人です
落ち着きがない!
超マイペース!!
『よだかは高く、力強く』
2017/02/09


  宮沢賢治に「よだかの星」という童話がある。
  よだかはその醜い姿で他の鳥達から嫌われ、故郷を捨てて旅に出る。やがて自分が多くの虫達の命を奪って生きていることに気付き、絶望に打ちひしがれたよだかは、星になりたいと願うがそれさえも星達に拒絶され、ついには青白く燃える存在となって飛び続けるのだ。

  島本理生の「よだかの片想い」を、すがすがしい思いで読み終えた。生まれつき顔に大きなアザがある主人公アイコは、大学院で研究を続ける理系女子。常に控えめに、目立たぬよう生きて来たが、アザについて本の取材を受け人生が一変する。映画化の話から出会った若手監督の飛坂に恋をし、自らの来し方、行く末を真剣に考えるという、キュンキュン切ないラブストーリーである。
  顔の大きなアザというのは、とてつもないコンプレックスのはずだ。特に、若い女性にとっては。しかし、幼い頃のアイコは自然と受け入れていた。顔のアザを「自分の個性のひとつ」と認識していたのだ。
  それをマイナスのものととらえるようになった経緯が、少女時代のエピソードに描かれている。
  アイコのアザを「琵琶湖の形だ」とからかった男子に、先生が「どうしてそんなひどいこと言うんだ!」と怒鳴る。それまでは何とも思っていなかった顔のアザを、良識ある人の善意が、恥ずかしいものだと思わせてしまった瞬間である。
  僕は不覚にも、こうした心理にまったく気付いていなかった。自分が教師だったとして、教え子がアイコのアザをからかったら間違いなく叱りつけたところだ。それがアイコにとってとても残酷なことだなどと、疑問にも思わずに。
  当のアイコはというと、24年の人生で初めての恋だ。気まぐれだが自然に接してくれる飛坂に魅かれ、猪突猛進。頑張れ、アイコ!ひるむな。行け、そこだ、攻めろ!!

  やがて訪れる選択の時。今の医療技術では、根気強い治療でアイコの顔のアザは消えるという。彼女が下した決断とは……。そして、飛坂との恋の行方は。
 「よだかの片想い」には、力強く燃え上がるアイコの希望がある。これから先、アイコの長い人生を照らし出す、めらめら燃える炎の物語である。

   


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