Personal


[バックナンバー]
佐々木淳吾 ぢゅんご式大人の読書感想文
佐々木淳吾


誕生日
1976年11月25日
出身地
東京都 江東区
血液型
O型
担当番組
【テレビ】
ウォッチン!みやぎ
(月〜水)7:30頃〜8:00

【ラジオ】
うたまつり!
(日)18:30〜19:00
趣味
車、靴、時計、カメ
今、興味のあること
英語とイタリア語の親戚関係
得意ジャンル
007シリーズ
好きなタレント、芸能人
広瀬すず
ナタリー・エモンズ
私の好きな・・・
映画
「ニューシネマ・パラダイス」
「きみに読む物語」
「シャレード」
お気に入りの場所
愛車の運転席
私のよく行くお店
うなぎの開盛庵
藤崎百貨店
私ってこんな人です
落ち着きがない!
超マイペース!!
『あこがれがあしたのあなたをつくる』
2018/08/07


  何だか表紙がすご〜くホッコリしていて、思わず手に取ってしまった1冊をご紹介。川上未映子「あこがれ」は、子どもの頃を思い出しながら読んでほしい作品だ。
  文庫本の裏表紙には「小学生のヘガティーと麦くんが大人への扉をさがす物語」と内容紹介がある。麦くんは何となくいいとして、ヘガティー…はて、日本人だろうか。そういえば、表紙の挿絵もどこかエキゾチックな顔立ちだし。
  すぐにわかるから書いてしまうと、ヘガティーは日本人の女の子である。なぜ、そんなあだ名がついたか。こちらは内容をご確認いただこう。
  理由は小学生らしく他愛もないものだが、いずれにせよヘガティーという不思議な響きが「あこがれ」に楽しくも切ない彩りを加えているのは間違いない。

  第1章「ミス・アイスサンドイッチ」では、小学4年生の麦彦がスーパーでサンドイッチを売るお姉さんに淡い恋心を抱く。ヘガティーが麦彦を勇気付けるシーンが良い。学校で毎日会えるのは、みんなが毎日学校に来るからだ。それがなくなると会うための約束みたいなものが必要になって、今度はその約束のための約束が必要になってしまうんだよ、と。
  こんなこと言われたらタジタジである。またね〜と別れたはずなのに、その「また」がないことなんて、大人の社会では日常茶飯事。僕など「ぢゅんごさんは飲み会のとき、またやりましょうと言うわりに1回きりで終わることが多い」と、後輩に叱られるぐらいだ。
  子どもも大人も、人生は一期一会。どうなる、麦彦の恋。
  第2章「苺ジャムから苺をひけば」は、小学6年生になったヘガティーの物語。幼い頃に母親を病気で亡くしたヘガティーは、映画評論家の父親と2人で暮らしている。ある日ふとしたことから、父親には別れた前妻がおり、彼女との間に娘もいたことを知ってしまう。
  父親との距離のとり方に戸惑いながらも、腹違いの姉に会ってみたい気持ちは徐々にふくらんで行く。思春期の入口に立つタイミングで、はからずも自らの存在を新たな視点でとらえ直したヘガティー。芯のある素敵な女性に成長して行くんだろうな。麦彦だって、とってもいいやつだ。きっとモテるぞ、うん。
  夏休みだ。普段は会えない、大切な人に会うという人も多いだろう。川上未映子の「あこがれ」は、会うという行為について強く背中を押してくれる1冊である。

   


BACK
line
UP↑