Personal


[バックナンバー]
佐々木淳吾 ぢゅんご式大人の読書感想文
佐々木淳吾


誕生日
1976年11月25日
出身地
東京都 江東区
血液型
O型
担当番組
【テレビ】
ウォッチン!みやぎ
(月〜水)7:30頃〜8:00

【ラジオ】
うたまつり!
(日)18:30〜19:00
趣味
車、靴、時計、カメ
今、興味のあること
英語とイタリア語の親戚関係
得意ジャンル
007シリーズ
好きなタレント、芸能人
広瀬すず
ナタリー・エモンズ
私の好きな・・・
映画
「ニューシネマ・パラダイス」
「きみに読む物語」
「シャレード」
お気に入りの場所
愛車の運転席
私のよく行くお店
うなぎの開盛庵
藤崎百貨店
私ってこんな人です
落ち着きがない!
超マイペース!!
『隣の火の粉はふり払うべきか』
2017/12/06


  社内随一のスプラッター女子、斉藤百香アナに借りた1冊。雫井脩介という作家の本を初めて読んだ。「火の粉」である。
  本当に読みごたえのあるサスペンス。スリラーの要素も入っていたりする。でもって、ちょっぴりスプラッターだ。

  元裁判官の梶間の隣に、かつて法廷で無罪判決を下した男・武内が引っ越してくる。彼は一家惨殺事件の被告人として死刑を求刑されていたが、現場で背中に傷を負い倒れてもいた。つまり、自分は被害者のひとりなのだという。しかし連日の過酷な取り調べに屈し、3人の殺害を自供することとなった。
  梶間としては、武内が3人を殺害して自ら背中を傷つけたとする検察側の主張に最後まで疑いをぬぐえず、無罪を言い渡した。それはそれで正しい。疑わしきは罰せず。刑事訴訟における大原則、イロハのイだ。
  武内はかいがいしい振る舞いで梶間の家族に取り入るが、それとともに梶間家に次々と不可解な出来事が起こる。当初は静観の構えを見せていた梶間も、相次ぐ怪事に、自らの無罪判決が正しかったのか疑念を抱くようになる。
  世の中に冤罪とされる事件は枚挙にいとまがない。たとえ手続き上は無罪を勝ち取ったとしても(無論かぎりなく狭き門ではあるが)、社会復帰した元被告を世間が色眼鏡で見ることによる責め苦は続く。まして彼ないし彼女が失った人生の大切な時間は、二度と戻ってこないのだ。
  良識と善意のある読者は(僕もそうだ)、武内という男の無実を信じつつ読みすすめるだろう。この作品の正しい読み方だと思う。はたして武内の正体は?それはネタバレになってしまうから書かないけど、この小説「火の粉」は、梶間という元裁判官がかつて自らが下した無罪判決に疑心暗鬼になった時点で、人が人を裁くことの難しさを否応なく読者に突きつける。

  スプラッター女子こと斉藤百香アナは「火の粉」の読了を告げると、ニヤリと不敵な笑みを浮かべ、すぐにもう1冊、雫井脩介の「仮面同窓会」を手渡してきた。彼女が貸したり薦めたりする本や映画は、どれも怖くて居心地が悪い。
  次の一手が怖いような、楽しみなような…。

   


BACK
line
UP↑