Personal


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佐々木淳吾 ぢゅんご式大人の読書感想文
佐々木淳吾


誕生日
1976年11月25日
出身地
東京都 江東区
血液型
O型
担当番組
【テレビ】
ウォッチン!みやぎ
(月〜水)7:30頃〜8:00

【ラジオ】
うたまつり!
(日)18:30〜19:00
趣味
車、靴、時計、カメ
今、興味のあること
英語とイタリア語の親戚関係
得意ジャンル
007シリーズ
好きなタレント、芸能人
広瀬すず
ナタリー・エモンズ
私の好きな・・・
映画
「ニューシネマ・パラダイス」
「きみに読む物語」
「シャレード」
お気に入りの場所
愛車の運転席
私のよく行くお店
うなぎの開盛庵
藤崎百貨店
私ってこんな人です
落ち着きがない!
超マイペース!!
『夏の終わりに百物語をどうぞ』
2017/08/23


  夏は夏らしく怖い話を読んだ感想文でも書こうと思っていたのだが、ちっとも夏らしくなかったので、ついぞご無沙汰してしまった。稲川淳二さんも9月に仙台に来る(9月17日)ぐらいだし、今から怖い話もまあいいか。

  この夏読んだ、小野不由美の「鬼談百景」。ごく短い怪談ばかり集めた、いわゆる百物語の体裁をとる1冊だ。百物語とは、複数人で怪談を語り合い、100話まで終わると怪異が起こるという肝試しである。1話終わるごとにろうそくを1本ずつ吹き消して行くという、凝った趣向もあったらしい。
  怖い話ばかり、しかもあまり長くないものを(長いお話だと、明け方までに100話終わりませんからねえ)そんなに数多く持ち寄れるかとも思うが、そこは同胞を怖がらせてやろうと強者がそろうわけだから、心配いらないのかも知れない。
  実際「鬼談百景」にずらり並ぶ怖い話は、いかにもバラエティーに富んでいて、なおかつ怖い。といって、決してジェイソンやフレディのような怖さでない。ああいうのは例えていえば、濃厚なソースのおいしさである。血の色に似た、赤ワインが似合いそうだ。
  日本の怪談にはやはり、独特の「うま味」がある。繊細な舌で、しみじみ味わう「うま味」である。気候風土や歴史が育んで来た「うま味」である。「鬼談百景」もしかり。ひとつひとつのお話で、その後どうなったのとか、結局どういうことだったのとか、そんなことをきくのは野暮というもの。不可解な謎が残ろうと、そこはかとなく続く余韻を味わうのが正しい楽しみ方である。

 「鬼談百景」には、学校にまつわる怪談が多い。いちばん多いかも知れない。多感な年齢の少年少女が集まる学校は、怖い話が口伝えされやすい場所なのか。友達の友達が…といったように出所があやふやであっても、ある瞬間、聞き手を震え上がらせる力があれば、怪談は立派に役割をはたして生きている。
  読者からの手紙をもとに編んだという百物語。100話ぜんぶ読み終わると…って、あれ?99話しかないぢゃないか。あと1話足りない。道理で、身のまわりに怪異が起きないわけだ。というより、本当に何かあると困るから残りひとつでやめておくのが百物語の作法でもあるようで。
  100話目はというと、同じ小野不由美の「残穢(ざんえ)」がそれにあたるらしい。僕は「残穢」を先に読んだが「鬼談百景」を読んで、その後で100話目を求めて「残穢」に進むのも一興である。その場合、何が起きても僕の責任ではない。あしからず。

   


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